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COBOL資産移行ガイド -予告-

COBOLコンソーシアム利用技術分科会
福島秀明 (富士通 アプリケーションマネジメント・ミドルウェア事業部)

COBOLコンソーシアムでは、COBOLの普及を目的として、COBOL関連書籍を発行および支援してきました。
その中で、2003年11月に日経BP社から発行された「実践 COBOL資産移行ガイド」からトピックを選び、内容をブラッシュアップした上で、「COBOLのはなし」に連載することになりました。
以下、内容紹介を兼ねて、COBOLコンソーシアム初代会長執筆の「はじめに」を原文のまま掲載いたします。

はじめに

メインフレームやオフコンで使われていたプログラム言語はCOBOLが圧倒的に多く、その割合は80%を超えていました。ここ数年、書店のコンピュータ書のプログラム言語コーナーは、C++、Java、C#およびVisual Basicの本がほとんどなので、COBOLはもう使われなくなった、時代遅れの言語との印象をもっている人が多くいますが、現実はプログラム言語の中でCOBOLが最も多く使われ続けており、全体の60〜70%は今でもCOBOLで書かれたプログラムです。
メインフレームやオフコンで稼働しているシステム−−レガシー・システムといわれています−−はまだまだ多く、特に社会基盤を支えている大規模ミッション・クリティカル・システムのほとんどはメインフレームで動いています。日本ではレガシー・システムというと“古臭い遺産”という意味でとられがちですがそれは間違いで、“貴重な財産”と理解するのが正しい解釈です。この貴重な財産を今後どうしていくか、それがレガシー・マイグレーションです。大きく分けて、メインフレームもオープンシステムの中に位置付け直して有効利用していく方法と、メインフレームからオープンシステムに移行する方法があります。本書は、主に後者においてCOBOLをどのように移行するかについてのガイドブックです。
第1章と第2章で、COBOLが現在どのような割合で使われているか、またその理由は何か、COBOLの利用環境がここ40年間どう変わってきたかを説明します。第3章と第4章では、オープンシステムのCOBOLへの移行方法と、ユーザ・インタフェースをJ2EE環境あるいは.NET環境のWebシステムにどう移行するかについて詳しく説明します。
第5章でオープン環境でのCOBOLの運用について述べ、第6章で具体事例を紹介します。
付録は技術解説で、COBOL技術者のためのWebシステム入門とWebサービス入門、さらに2002年に改訂されたCOBOLの最新国際規格について概説します。
最後に、企業基盤あるいは社会基盤として不可欠な情報システムを日夜支えている方々に、本書が少しでもお役に立てば幸甚です。

今後の記事にご期待ください。