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オープンソースのCOBOLを知っていますか

飯島裕一(日本電気 ソフトウエア開発技術事業部)

 オープンソース・ソフトウェアの利用がひろまっている。オープンソース・ソフトウェアは、インターネットを通して世界規模で共同開発が行なわれ、より優れたものに改良される。Linuxなどがその代表たるソフトウェアである。

 ところで、生誕40周年を迎えたCOBOLにも、オープンソースとして開発されつつあるCOBOLコンパイラがあることをご存知であろうか。COBOL for GCC や Tiny COBOLなどがそれである。

 COBOL for GCC( http://cobolforgcc.sourceforge.net/ )は、GNU Compiler Collection ベースのCOBOLコンパイラである。ANSI'85規格に準拠したLinux向けコンパイラを作成することを目的として、1999年3月にプロジェクトがスタートした。2000年8月13日にバージョン0.1.2が公開されている。

 TinyCOBOL( http://tiny-cobol.sourceforge.net/ )は、フリー・ソフトウェア・コミュニティーによって開発されているCOBOLコンパイラである。DOS版COBOLをベースに1999年中ごろから開発されている。ANSI規格外の機能も積極的に取り入れているのが特徴で、現在、Linux上とFree BSD上で動作する。2000年12月6日にバージョン0.4が公開されたところである。

 残念ながら、いずれのCOBOLも実用レベルに至っておらず、完成するまでには、あと半年から1年以上待たなければならない。

 COBOLは、主に基幹系業務で使用される言語であり、品質・性能・機能面では最高レベルが要求される。そのため、オープンソースCOBOLが完成したとしても、直ちに実際の基幹系業務で利用されることは少ないであろう。

 その点、現在、各ベンダーが提供しているCOBOLは、基幹系業務での利用実績がすでに十分あり、品質・性能面での心配はほとんどない。GUIの採用、RDBMSとの連携、Webとの接続など機能も充実している。さらに、各ベンダーのサポートが得られるという点でも安心である。オープンソースCOBOLでは、利用者が自己責任で使用しなければならない。

 ただ、現在のCOBOL人口は全世界で300万人といわれる中で、オープンソースCOBOLを使ってアプリケーションを開発する人は少なからずいるであろう。さらに、手軽に利用できるCOBOLが存在することにより、COBOL利用の敷居を低くする効果も期待できる。フリーなCOBOLの登場によりCOBOLの裾野がさらに広がり、COBOLで書かれた有用なフリー・ソフトウェアが登場することを期待したい。

(「日経ソフトウエアメールマガジン1月7日号」に掲載)